タイヤキ、


  タイヤキは哀しい

  薄茶色の身体に 糖質の餡を内包して
  この世界の時間と空間の片隅にある

  あまやかな香りをたてながら
  鉄板の上で ゆっくりと焼かれて
  何を思うかタイヤキは


  店の前では 若い女性が焼けるのを待っていた
  ずっと昔付き合っていたあの人に似た横顔

  彼女もそっくりな表情で
  タイヤキを待っていたことがある
  そんなデジャヴのような時間が流れて

  タイヤキは哀しい 

  時の迅さに 当惑する
  記憶の断片は思い出を美化して
  自分がさらに遠くなっていく
  タイヤキは 頭から食べるべきか 
  それとも尻尾から食べるべきか 
  そんなやりとりがおかしかった


  タイヤキが焼けた
 
  女性は紙に包まれたタイヤキを受け取ると
  すこし怒ったような顔つきで
  僕の横を通りすぎていった

  そのタイヤキも食はれて
  彼女の心の栄養となるのだろう


    
うーん、これって詩なのでしょうか・・・・???

   タイヤキの香りて春のデジャヴ哉


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by yuhki_ex10 | 2007-03-24 21:33


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