これはニキ美術館所蔵の「赤い魔女」という作品。
いわゆる射撃絵画で、 ニキが造形をして、さらにライフルに絵の具を詰め、 作品に向かって発砲して完成というものです。 この射撃絵画という手法の特異性もあり、 ニキはアートの世界で一躍知られるようになりました。 ただ、この「赤い魔女」、 写真からも言葉にならない暗闇や、 抑圧の強い内面を感じます。 彼女の「花嫁」のシリーズにも似た雰囲気がある。 それが後年の「ナナ」や「蛇」のシリーズに見られる、 ユーモラスな明るさと大きな乖離を感じました。 けれどよく考えてみると、 射撃絵画の暗さと「ナナ」の明るさは、 やはり同じ根っこなのかも知れない。 例えば、ひとりの人間のシルエットが、 見る角度によってまったく違ってしまうように。 作品はそのアーティストの、 様々に変幻するシルエットなのかも知れません。 最近はそんなふうにも思います。 月光の身に入る君は今日魔女 (10/27追記)質問があったので、ちょっと補足を。 読みは「げっこうのみにいるきみはきょうまじょ」です。入るは「いる」。 字足らずの句です。
by yuhki_ex10
| 2007-10-25 23:35
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